風俗博物館
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日本服飾史

江戸時代


  

虚無僧


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 虚無僧(こむそう)は禅宗の一派である普化(ふけ)宗の僧をいう。普化宗は唐の普化禅師に始まるところで、我が国へは鎌倉時代、建長年間宝伏居士が来朝し、山城宇治の汲古庵に錫を駐め、伝道したのを最初とした。尺八を吹奏して托鉢する半僧、半俗の僧で、足利時代の「七十一番歌合せ」に出てくる虚無僧は暮露(ぼろ)と呼ばれた。兼好法師の「徒然草」にも「世をすてたるに似て我執ふかく、仏道をねがうに似て闘諍を事とす。」と書かれているが、その姿は白衣、黒衣に白鉢巻、腰に尺八をさし、唐笠、下駄という装(よそお)いで「ころも」も「袈裟」も描かれていない。
 江戸時代になって主家を離れた武士が浪人となり、あるいは身分を秘匿し、僧籍を得て諸国を流浪したりした。
 明治4年10月28日に普化宗が廃止され、臨済宗に属せしめられるが、現在は臨済宗東福寺派山内の明暗寺に所属している。
 これは現在の装束に依ったものであるが、江戸後期の姿もほぼこの様式と思われる。即ち天蓋[藺笠]をかぶり、紺あるいは、黒又は白の小袖に帯を締め[この帯には規定がない]、大掛絡(くわら)[絡子(らくす)]を肩にかけて、胸に偈箱(げばこ)をつるす。偈とはこの場合尺八の譜のことであるが、箱には偈の他、布施等を入れ、白の手甲、脚絆に草鞋、あるいは草履、下駄等をはき、手には尺八、左手に数珠、また左の腰には袋に入れた替え笛を挿している。

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1  天蓋(てんがい)[藺笠(いがさ)]
2  小袖(こそで)
3  大掛絡(おおくわら)[絡子(らくす)]
4  帯(おび)
5  袋に入れた替笛(かえぶえ)
6  印籠(いんろう)
7  脚絆(きゃはん)
8  足袋(たび)
9  草鞋(わらじ)
10  鉢巻(はちまき)
11  尺八(しゃくはち)
12  手甲(てこう)
13  偈箱(げばこ)
14  替笛の袋の括緒(くくりお)の房(ふさ)




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