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日本服飾史

江戸時代


  

能・狂言の太郎冠者


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これは果報者を主人公とする「末広がり」に出る太郎冠者を想定した。
 「末広がり」というのは普通の扇を鎮扇(しじめ)といい、先が閉じられているのに対し、先の開いた中啓(ちゅうけい)を末広(すえひろ)というのを知らなかった為に都の騙(かたり)にだまされて傘を売りつけられて戻ってくるという話で、終りは都ではやる小歌囃子(はやし)で浮き立たせ、主従めでたく和解する話で、洗練された祝儀の型ものとしての美しさを示している。太郎冠者は狂言の中で最も親しみの多い出演者で、装束も能の絢爛に対し水墨画の風趣を持つもので、渋味と野趣、おどけのある装いで狂言装束の代表の一つといえる。
 太郎冠者の装束は、肩衣、半袴で着付は縞熨斗目で、肩衣は半袴の上につけ腰帯で締めている。
 肩衣は黒麻、白抜きで矢と丸に水鳥の的(まと)がつけられている。これは大和猿楽の伝統をひく大蔵流を示して「やまと」と判じるとも思われる。紋は「雪輪に薺(なずな)」でこの紋がつけられたのが例となっているがその理由は判然としない。この他、肩衣には瓢箪や大蕪、鬼瓦など大胆な意匠が多く狂言装束の面白さを代表している。半袴は紋尽しが通常で、紋の中の文様は宝尽しとなっている。この他中の文様に千網、三本傘、挽臼、帆掛舟など奇抜なものも多い。
 半袴は括袴として脚袢をつける演目もある。着付の縞熨斗目の色目は自由で、腰帯は白地に黒の松皮菱等、足袋は色付のものである。手には鎮扇(しじめ)を持っている。

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1  肩衣(かたぎぬ)
2  着附(きつけ)
3  鎮扇(しじめ)
4  半袴(はんばかま)
5  足袋(たび)
6  腰帯(こしおび)




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