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日本服飾史

平安時代


  

院政時代の単重ねの公家女房


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 公家の女房の平常の姿として袿、単、袴がある。院政時代の「満佐須計装束抄」に「6月よりひとへがさね、すほうくちは、くれなゐうすいろ、うすあを、からかみそめつけ、ふせんれう………」とあり、つづいて
「七月七日よりきがへする………」「八月一日より十五日まで、ひねりがさね………」などあり。
 ひとへがさねは、単を2枚かさねる意味で、ひねりがさねは、単の3枚を意味する三つの御衣(おんぞ)の意ではなかろうか、鶴岡八幡に伝承する北条政子着用といわれる衣は、ひねり仕立の単(ひとえ)の衣を三枚、背や脇などで縫い合わせたものが3組と、単とが現存している。
 三つ御衣は建春門院中納言日記にもあるが、冬の褻の場合と見られる。8月は太陽暦では9月であり秋と云える。
 6月は太陽暦の7月、夏の最中と云えるので、単を2枚重ねて褻の装いとしたと思われる。ここに単かさねの夏姿を示すこととした。
 地は生。即ち固地の生とし、紋は浮線綾も考えられるが、ここでは幸い菱文とし、色は上を二藍、下を萌黄の杜若(かきつばた)重ねとしてその下には小袖、袴は紅長袴とした。

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1  下(さ)げ髪(がみ)
2  下げ髪の鬢批(びんそぎ)
3  単(ひとえ)衣の(きぬ)[袿(うちき)]
4  衵扇(あこめおうぎ)
5  単(ひとえ)
6  紅(あか)の打袴(うちばかま)




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