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行幸の演出

晴れの室礼


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一日晴(いちにちば)れ

束帯(そくたい)の袍(ほう)の下に着る、すその部分(裾(きょ))の長い下襲(したがさね)を、特殊な行事や儀式、行幸(ぎょうこう)・行啓(ぎょうけい)の折に、その日一日だけ、特別な色や染め物、唐織物にすることが許されることがあった。これを「一日晴れ」という。通常は身分や年齢で織文や色いろ目めに決まりがあったため、この日は、それぞれが競って華麗なものを用いたようである。上達部(かんだちめ)や殿上人(てんじょうびと)が、寝殿(しんでん)の簀子(すのこ)の高欄(こうらん)に、その下襲の華やかな裾を掛けて居並んでいる様子が『駒競行幸絵巻』に描かれており、当時の様子がうかがえる。

ちなみに、裾は、平安時代初期までは等身大であったが、次第に長くなり、官位の高さに応じて長く引きずるようになった。また、後には「別裾(べっきょ)」といって、裾の部分のみが下襲から独立し、二部式となって腰に紐で縛るようにもなった。

打出(うちいで)

行幸(ぎょうこう)や大饗(たいきょう)、その他の晴儀の際に、母屋(もや)や対屋(たいのや)の御簾(みす)の下から女房装束の袖口の重ね色目を見せて、華やかさを演出する装飾を「打出」という。実際に着飾った女房が居並んでいるように見えるが、本当は、重ねた装束を几帳(きちょう)の柱を支えにして、人が着ているように形作って置いたもの。帳(とばり)ごと几帳を抱え込むようにして絞り、左右の袖口から出した裳(も)の紐(小腰(ごごし))で結んでとめてある。

『満佐須計装束抄(まさすけしょうぞくしょう)』には、一間に二具の割合で置くとあるが、『駒競行幸絵巻』で描かれている打出は一間に一具である。

なお、女房が向かい合って座っているように見える、二具を一度に用いて行う打出の場合は、左右から二組の装束を併せて絞りとめる、御簾の正面から見ると一具であるのに、左右、別々の袖口と色目がのぞくことになる。

下の写真はこの、二種類による打出。

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上から見た一具による打出 正面から見た一具による打出
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正面から見た二具による打出
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上から見た二具による打出


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