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貴族の生活

彩る調度の品々


調 度

御帳台(みちょうだい)
* 寝殿(しんでん)の母屋(もや)にすえる天蓋付(てんがいつ)きのベッド。本来 は座臥のための施設であったが、のちには権威の象徴となった。皇后などの場合には、浜床( はまゆか)と いう黒漆の台を置くが、ふつうには板敷きの上 に、繧繝縁(うんげんべり)の畳二帖を並べて敷き、四隅に柱を 立て、その上に、白絹張(きぬばり)の明障子 (あかりしょうじ)をのせる。四隅と前後左右正面に帳(とばり)を垂らし、上部四方の外側に帽額(もこう)(横幅の裂)をめぐらす。帳の中は、日中は三方に几帳(きちょう)を立て、その高さまで帳を巻き 上げる。畳の上には、中敷の畳・表筵(おもてむしろ)・龍鬢地鋪(りゅうびんぢしき)・茵(しとね)を重ねる。前面の左右の柱には、水気除けに犀(さい)の角または木で作られた角形をかけ、 後方の左 右の柱には、魔除けの八稜鏡(はちりょうきょう)をかけた。
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御帳台(みちょうだい)の中に入る

* 母屋(もや)の中にそびえたつ、ひときわ大きな 調度、御帳台。こんなに堂々とした施設が 部屋の中にあるのは驚きだが、日本の、し かも平安時代に天蓋(てんがい)付(つ)きのベッドがあるなんて、本当に不思議。このベッド、起源は 西アジアのよう。日本固有の文化が育ち始めた 時代。でも、その根底には世界の文化がある…。 中に入ると、意外とこじんまり。帳(とばり)を下ろすと 個室のようで、落ち着いた空間が広がる。天井は高く、圧迫感はない。柱にかかった鏡は、夜は怖くて覗けないが、大切な御守りなのだという。入り口の柱にかかった犀角(さいかく)もそう。この中にいるだけで安心出来るのは、これのおかげかな。毎日ここで寝るのは窮屈(きゅうくつ)な感 じがするかもしれないけれど、しばしまどろんだ時間を過ごすにはちょうど良い。思った以上に心地良い空間だ。
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二階棚(にかいだな)
高脚の二段の棚で、黒漆に蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)の細工が施されている。棚の上に は青地唐花文錦の敷物を敷き、火取(ひとり) 、img坏(ゆするつき)、唾壺(だこ) 、打乱筥(うちみだりのはこ)などの調度が置かれる。通常、置く調度とその場所は決められているが、『類聚雑要抄』では建物の場所によって調度の置き方が多少異なっている。
火取(ひとり)
火取香炉(ひとりこうろ)のことで、薫 たき 物も の をくゆらすための道具である。木製の火取母(ひとりも)という器の内側に、銅や陶器で作られた香炉を置き、その上に銀製の火取籠(ひとりご)を被せて使う。火取籠には灰を抑える匙形(さじがた)や箸形(はしがた)が懸(か)けられる。写真は実際に香炉に灰を入れ、お香を焚く準備をしているところ。
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打乱筥(うちみだりのはこ)
木製で作られた長方形の浅い筥で、理髪(りはつ)の具(ぐ)や生地などを納める。『類聚雑要抄』では、蓋裏 には蒔絵(まきえ)がほどこされ、身の内側には錦が貼ら れている。通常、蓋を裏返しにして身と重ねて 置いた。『源氏物語』では、入内(じゅだい)のために調えられた調度品の中のひとつに描かれている。
*坏(ゆするつき)
髪を洗ったり梳(す)いたりする時に必要な、米のとぎ汁を入れるための銀や漆塗りの器で、蓋・ 坏・尻の三つからなっている。棚に置く時は、錦張りの、唐組の紐を総角(あげまき)に垂らした五脚の台の上に載せられる。
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唾壺(だこ)
唾を吐き入れる用具。多くは銀製のもので、唾壺といわれる下部の壺形の部分に、杯形の唾壺羽を載せたもの。内側に錦を張った浅い筥(はこ)に入れる。中国では実用的であったが、日本に入ってからは装飾的なものになった。
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根古志形鏡台(ねこじがたきょうだい)
鏡を懸 か けるための台で、名前の通り木の根のような形をしている。鷺足(さぎあし)五本に茎といわれる心木が軸となって、その上部に上手(うわて)があり、差出の枝が左右に出ている。頂上には宝珠(ほうじゅ)を置く。鏡を懸ける場合は、鏡の枕と入帷(いりかたびら)(鏡の包み)を懸け、その上に二枚の羅紐(らひも)を重ねて軸に結び、鏡の鈕(ちゅう)に紐を通して軸に懸ける。
鏡筥(かがみばこ)
鏡台に懸ける鏡と、鏡を懸けるために必要な羅紐(らひも)・ 入帷(いりかたびら)・枕などを納める筥。形は、収納する鏡に合わせた円形や八稜(はちりょう)形で、同形の蓋をとりあわせて、鷺足(さぎあし)の台の上に置いた。筥と蓋の表面は、蒔絵(まき え)で趣向を凝らし たもので、内側には錦を張った。
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角盥(つのだらい)
盥は中に水や湯を入れ、顔や手足を洗う器である。「角盥」は平安時代にもっとも一般的に使 われていた木製の盥で、漆が塗られ蒔絵が施される。左右に持ち運びのための角状の取っ手が二本ずつ付いている。同じように左右に小さな半円状の丸い取っ手が付いたものは耳盥」と呼ばれる。
脇息(きょうそく)
座った時に、身を寄せかける木製の台で、細長い肱付の板の両端に脚がつく。材質には紫檀や沈が用いられ、螺鈿蒔絵の装飾が施された。『源氏物語』には、脇息の上に経巻を置いて読経する」という場面があって、文机にもなる。
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畳(たたみ)
座臥のときに敷く道具で厚薄長短は一定せず、板敷きの室内で必要な場所に 必要な枚数 だけ使用した。縁は身分に応じて種類があり、天皇・上皇 は繧繝縁(うんげんべり)、 親王・大臣は高麗縁(こうらいべり)、 公家は高麗 小紋、殿上 人は紫、六位は黄色を用いた。重ねて使用することもあり、『源氏物語絵巻』「宿木一」には、薫を相手に碁を打つ帝が、高麗縁の畳の上に繧繝縁の畳を重ねてその上に座している姿が描かれている。
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文台(ぶんだい)
書籍や硯箱などをのせ、読書や写経に用いた長方形の低い台。詩歌会では、創作した詩歌をこれに置いて献上した。『源氏物語』には、藤花の宴の折に、列席した人々が祝賀の和歌を書きつけた料紙を置いているようすが描かれている。
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硯箱(すずりばこ)
硯、墨、水滴、筆、小刀など、書き物に必要なものを入れる箱で、現在のものより大きく、重硯箱といって二段重ねのものもあった。本来の用途のほかに、贈り物や手紙などを入れて、贈答にも用いられた。蓋も、料紙や草木の折枝を入れたり、食べ物を盛るのに用いられることがあった。
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返事の手紙を書く明石姫君(初音)

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文台の上の小松は
母の手紙に添えられていたもの
母の明石の君から娘の姫君のところに来ていた手紙を源氏は御覧になって、親子なのに会うことのできない明石の君の身の上を思い、硯を引き寄せて姫君に返事を書くように勧める。硯箱は、文房具というよりひとつの調度の類で、現在のものよりかなり大きい。文台の上には載せず、直接床に置いて用いる。二段になっているものもある。手紙などを書く場合は、料紙を机の上に置かずに左手にもち、右手の筆で書き付ける。


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