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障屏具(しょうへいぐ)

* 基本的に間仕切りのない、板の間に丸柱が並 ぶだけの寝殿造(しんでんづくり)では、利用の仕方により適宜さ まざまな障屏具(仕切り具)を用いた。儀式や 饗宴(きょうえん)のように広い空間が必要なときは、障屏具 を取り払い、プライベートな場合には、御簾(みす)や几帳(きちょう)を用いて空間を仕切るのである。ここでは、 寝殿に設置された戸類を含めて、こうした障屏 具の種類と用い方についてみてみよう。

几 帳(きちょう)
移動可能な室内障屏具のひとつで、土居(つちい)(木 製の四角い台)の中央に二本の細い円柱を立て、 その上に横木を渡し、帳(とばり)を垂らしたものである。 帳は幅が縫い合わされたもので、縫い合わせる 時に真中を縫わずに風穴(かざあな)としてあけておき、そこから外が垣間見(かいまみ)られるようになっていた。帳の一幅ごとに幅筋(のすじ)という布の帯が付けられ、裏 で折り返して、表に二条になるように下げられ る。下部の台から上部の横木までの高さによっ て「四尺几帳(よんしゃくきちょう) 」「三尺几帳さんじゃくきちょう」とよばれ、帳の長さもそれによって長短があった。女性が人と対面する場合には、親しい間柄であっても几帳を隔てることが多かった。
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壁 代 (かべしろ)
文字どおり壁の代わりに吊るした布製の帳(とばり)で、 上長押(うわなげし)から下 長押(しもなげし)に垂らして用いる。人目を防ぐ ためのもので、夏用と冬用がある。表には幅筋(のすじ)という布を垂らし、殿内の御簾(みす)の内側に懸ける。
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御 簾(みす)
細かく割った竹を編んだ障屏具で、母屋(もや)なら びに廂(ひさし)の間(ま) 、また廂と簀子(すのこ)の柱間や妻戸口(つまどぐち)などに垂らし、日光の遮断や外部から見通されない ための隔てとして使われる。内裏(だいり)や貴人の殿舎 では、文(もん)を染めた絹で縁取り、上部に「帽額(もこう)」という絹を引き渡した。簾を巻き上げる際には、 「鉤丸緒(こまるお) 」という飾り房のついた半円形の「鉤(こ) 」 という金具に懸けるが、『源氏物語絵巻』には鉤 も鉤丸緒も描かれていないので、模型では紐のみとした。
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軟 障(ぜじょう)
壁代(かべしろ)の高級なものが軟障である。絹製で四方 に紫の縁をつけ、高松に唐人などの絵を彩色し た。「藤裏葉」の六條院行幸の場面でも、「あら はなるべき所には軟障を引き」とあって、晴れ のしつらえに用いられている。『年中行事絵巻』 には、五節(ごせち)に際して綾綺殿(りょうきでん)で音楽を奏する女楽 人の部屋の周囲に軟障が描かれている。
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妻 戸(つまど)と遣 戸(やりど)

妻戸は両開きの板扉であり、遣戸は敷居(しきい)と鴨居(かもい)の溝にはめられた引戸、という構造上の違い がある。

寝殿(しんでん)では、固定して設置された建具といえば、 塗籠(ぬりごめ)のように密閉された部屋は別として、母屋(もや)と北廂などを仕切る襖(ふすま) 、廂(ひさし)と簀子(すのこ)の間にあって 室内と室外を仕切る格子(こうし)ということになるが、 室内の出入りのために東西両側妻の南北には両 開きの扉が設けられた。これが妻戸で、もとも とは妻側に設置されたことによる名称であるが、 後にはほかの場所にも設けられた。対屋(たいのや)から 渡殿(わたどの)や透渡殿(すきわたどの)を通って寝殿(しんでん)(正殿)に行く場合、 ちょうど正面に当たり、寝殿への便利のために この位置に設けられたのである。「野分」では、 源氏の長男の夕霧が、渡殿を通って紫の上のい る春の御殿(おとど)の寝殿に行く際、折からの野分(のわき)(台 風)の風で開いた妻戸の隙間から、彼女の美し い姿を垣間見(かいまみる)、という情景が描かれている。

いっぽう、遣戸(やりど)はこの時代にはまだあまり使用されず、平安後期になって用いられた。細い 横桟を密に取り付けた舞良戸(まいらど)が一般的で、内側 には障壁画を貼り付けたりした。

格 子(こうし)
廂(ひさし)の周囲の柱間に設ける建具で、多くは廂と簀子(すのこ)の間にはめられる。格子は場所によって一 枚格子と二枚格子があり、表裏ともに黒塗で、 その間に薄い板が挟んであるのが正式である。 格子の一こま、一こまは「壺(つぼ) 」と呼ばれ、胡粉(ごふん)の白塗となっている。格子の上げ下げは女房の 朝夕の仕事の一つであった。
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屏 風(びょうぶ)
室内に立てて物の隔(へだて)として使われた。室内装飾と しての役割も高く、表面に は山水(せんずい)などの絵が描かれ、色紙形という空白部に詩歌 が書かれることもあった。 使用しない時は畳み寄せたり、袋に入れて保管した。
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障 子(しょうじ)
襖(ふすま)・衝立(ついたて)・屏風(びょうぶ)などの総称だが、『源氏物語』 では、ほとんど「襖障子(ふすましょうじ)」のことをさす。「襖 障子」は今日いう襖に当たるもので、左右引き 違い戸になっていて、鹿皮( しかがわ)の取っ手がついてい る。ふつう、母屋(もや)と廂(ひさし) の間などに隔てとして用いられたが、柱間に嵌(は)め込み、不用時にはずす立障子もあった。そのほかに下に台がついてい る移動可能な襖張りの「衝立障子(ついたてしょうじ)」がある。現在の障子は「明障子(あかりしょうじ) 」といわれ、平安時代末期に現われた。

文学と史書の名場面 香爐峯の雪は簾をかかげてみる「枕草子」


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