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六條院四季の移ろい

葉月(はづき)(八月)


ハス
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ツユクサ
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アサザ
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サギソウ
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ハス
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ガガブタ
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月見(つきみ)(観月(かんげつ)) 十五日

湿度の高い夏が過ぎると、月が七夕の星と同じく、澄み切った清涼な秋の空気のもとで輪郭を明確にし、輝きを増しはじめる。秋の月は美しく、とりわけ秋の最中(もなか)の満月、つまり八月十五日の月が最高とされ、「中秋(ちゅうしゅう)の名月」の名で人々から愛された。「月の顔見るは忌むこと」(『竹取物語』)という習俗がある一方で、中国から渡来した観月の習慣は宮廷人に八月十五夜の詩宴を催させ、儀式というより遊びの要素が強い行事として発展し、詩歌管絃(しいかかんげん)の遊宴が開かれた。

『栄花物語』の第一巻「月宴」では、康保三年(九六六)八月十五夜、前栽(せんざい)合わせ(庭木や草花の優れたものを植え、その優劣を左右に分かれて競う遊び)などが行われた後の清涼殿(せいりょうでん)での観月の宴の様子が描写され、その盛大さを伝えている。

また、宇多法皇が九月十三夜の名月を「無双(むそう)」と賞賛したことにより、晩秋のその月を「十三夜月」、「後の月」と呼んで観賞する行事も加わった。

現在の中秋(ちゅうしゅう)の名月(十五夜(じゅうごや))

現在、各地でさまざまなお月見が行われているが、京都市左京区の下鴨神社では平安時代からの伝統を守り、ススキの穂を飾り篝火(かがりび)を焚いた舞台で雅楽を奉納する「名月管絃祭」が、京都市右京区の大覚寺では大沢池に龍頭鷁首(りゅうとうげきす)の屋形船を浮かべ、船上から水面に映った月を観る「観月のゆうべ」が、それぞれ行われており有名である。「十五夜」は秋の収穫を前に、五穀の豊穰を祈願する行事でもあった。

市内では、里芋を皮を付けたまま蒸して衣被(きぬかつぎ)にし、月に供える風習も残る。「十五夜」が「芋名月(いもめいげつ)」とも言われるのはこのためであり、京都の月見団子はこれにならって、丸ではなく、小芋(こいも)型に作るのが普通である。

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駒牽(こまひき) 十五日

宮廷用の馬を飼育、供給するために勅旨(ちょくし)をもって置かれた牧場を勅旨牧という。甲斐国の穂坂、武蔵国の石川、上野国の利刈、信濃国の望月、切原など、東国の四ヶ国に三十箇所あまりあった。そこで育った駒(こま)(馬)は定められた数が毎年八月に朝廷に献じられ、紫宸殿(ししんでん)の前で引き回され、それを天皇が御覧になる儀式を駒牽という。馬は参列者の貴族たちにも分配された。ちなみに鎌倉時代頃からは信濃の望月の牧場の馬だけとなった。

当時、東国から都に入る玄関口は近江と山城の国境である逢坂山(おうさかやま)であり、ここに関所が置かれていた。有名な逢坂の関である。駒牽に先立ち、諸国より貢進される馬を馬寮(めりょう)の官人が逢坂の関まで迎えに行ったが、これを「駒迎(こまむかえ)」という。紀貫之の「逢坂の関の清水に影見えて今や引くらむ望月の駒(満月の影が映る逢坂の関の清水に、同じく影を映すように姿を見せて、今まさに牽いているだろう、信濃望月から出てきた馬を)」は、駒迎えの光景を描いた屏風絵に賛として書くために詠まれた有名な和歌である。「影」と「鹿毛(かげ)(馬の毛色)」、「望月(満月)」と「望月の牧の駒」を掛けている。

太陰暦(たいいんれき)
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いわゆる旧暦のことで、現在のグレゴリオ暦をもととした太陽暦と違って、月の満ち欠けによって日を決める。たとえば、新月は一日、三日月は三日、上弦の月は七日前後、満月は十五日、といった具合である。したがってその夜の月を見れば何日かがわかる。月が地球を公転するのに要する日数が約二十九・五日であるので、大の月を三十日、小の月を二十九日として適宜十二ヵ月を大小の月に分ける。ただ、これだと地球が太陽の周りを公転する一年間では、約十日の不足が生ずることになる。そこで、規則にのっとって三から四年に一度、閏月を設けて一年を十三ヵ月としている。古典などで「何日の月」という場合は、必ずその日と月の形が一致していることになる。したがって中秋の名月といえば必ず八月十五日である。

しかし農作業の季節とはずれることになるので、月日とは別に一年間を二十四等分して、立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑、立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒という名をつけた。これを二十四節季(せっき)といい、農事などはこれに従った。正月一日はほぼ立春と同時期になるが、「年の内に春は来にけり」などと和歌によまれるのは、正月一日より先に立春が来たことをいう。


望月の欠けたることもなしと思えば『小右記』



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